<<Topページへ 「プロ野球プラス」はこちら!>>
●● 茨城ゴールデン・ゴールズの試合記録はスポーツ・アクセスが提供しています。

★★萩本欽一監督の夢列車2008★★
 第35回社会人野球日本選手権大会(京セラドーム)

ヤマハ vs.茨城G・G(第1試合)

2008年11月14日(金曜)  京セラドーム  10時30分試合開始
茨城ゴールデンゴールズは初戦で惜しくも敗退
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 備考
茨城G・G
完封を免れる
ヤマハ 
× 岡本が完投
                        
 
思いがけない大阪のファンに涙。しかし
「ヤマハは強かった。1勝の厚い壁さ」


茨城G・Gの萩本欽一監督
初回のリリーフから5回1/3を無失点!
サイドスロー右腕の鈴木侑一


内野ゴロの山を築く
 
初回に茨城G・Gは、5四球を出し2長打を浴び4失点。捕手は三條能央。

滑り込むヤマハの3番打者マガリャエス(初回、佐藤のタイムリー)
 


昨年に続いて、初戦の壁を破れず。無念敗退の茨城ゴールデンゴールズ

 
第34回大会の初戦。6対9。昨年、三菱重工名古屋に逆転負け。「試合をするのは選手。あの時負けて、彼ら彼女がどう思ったか。それを35回大会のきょう、試したいと思ってる」と試合前の萩本欽一監督。相手は、大会17度の出場を誇るヤマハ。

 10時30分開始の試合は初回裏、ヤマハが鮮やかな先制攻撃を見せる。茨城G・Gの先発・北野偉也(ひでや)が制球難。球のリリースが早く、低めへ決まらないのだ。ヤマハは2番・薄井、3番・マガリャエスが歩き、大砲の4番・佐藤二郎が2点タイムリー。5番も四球で歩くと、7番主将の良知純平は、あわや3ランかと思わせるフェンス直撃の長打。計4点。試合の主導権は、ヤマハが握った。

 一方、茨城G・Gの攻撃。5回表に初安打。しかし7回まで、その5回を除いて3者凡退が続く。ヤマハの先発、右腕の岡本洋介は、初回、立ち上がりを狙う茨城G・Gを警戒。スライダー、カーブを低めに集め、2奪三振とリズムをつかむと、1失点した7回を除いて毎回の8奪三振の好投。最後までストレート、変化球とも崩れず、安定したピッチングを貫いていた。

初対戦の打者に、2球ほどで苦手、力量を推測。以降を徹底してそこを突くバッテリーの呼吸が、勝利を呼び込んでいた。アマチュア界の野球は、相手の情報が当然ながら少ない。試合のなかで「ひとつのヒント」を見逃さない観察力。そこから瞬時に戦術を組み立てる創造力。社会人野球との試合から、刺激を受けることはいろいろある。

 茨城G・Gは、元プロの福井敬治、酒井忠晴を3、5番に据えるも、結局クリーンアップが10打数で無安打に終わり、上位打線が不発では厳しかった。はっきりした収穫は、サイドスロー鈴木侑一の成長。130キロ前後の変化球は、ヤマハ打線が打ち損じをするか、野手の正面へ飛ぶ打球がほとんど。内野ゴロ、フライを連発させ、初回のリリーフから、9人を連続凡退に仕留め、ヤマハ各打者の表情が次第に固くなっていくのが見て取れた。5回と1/3を無失点に封じ、鈴木が自信を深めたマウンドも、しかしGG打線の援護がなかったのが惜しまれる。

茨城G・Gの初安打(4回表)
主将の岩田紀彦(おーいお茶・伊藤園)


茨城G・Gを3安打8奪三振
完投した岡本洋介(ヤマハ)のカーブ



【写真:スポーツ・アナリスト小野俊哉】 

8回に三條能央がタイムリー。二塁打の松本渉がホームを掛ける


 
 
8回、二塁打を放つ
茨城G・Gの捕手・三條能央


吉田修司とバッテリーを組む
(左:三條能央 右:吉田修司)

2イニング5奪三振も惜しい失点・・

【写真:スポーツ・アナリスト小野俊哉】
 

もう欽トクは「ベンチ入りしないよ」宣言?の真相・・・

 試合の後。茨城G・Gの萩本欽一監督が記者会見。「来年から、企業チーム(社会人野球)相手の試合は、ベンチ入りしないことに決めました。そう、ボクは観客席で応援して、試合を見てる。監督は今日の試合が最後でしたね」。周りの記者は、狐につままれた様子。

 「普通のクラブチームの試合は、指揮をする。でもね、こんな負け方じゃ企業チームに失礼。うちのチームの目標は、ここで1勝を上げることなんだけど。でも選手には、天国か地獄か、ひとつの試合に掛ける気持ちが育ってないんです。負ける理由を、他人に見つけようとする。これでは監督がいなくても一緒。と選手には、今さっき話したところ。選手?選手は、悲しそうな顔してましたね」。

 「強いチーム、可能性のあるチームにしたい。でもね、これまで運だけで勝ってきた連中なの。それだけじゃあ、次の壁を破れない。上の上、そのまた上がある。そこを乗り越えてこそ、だね。今のゴールデンゴールズじゃ、突き破れない。5年はかかる。でもね、あの選手たちの悲しい顔を見てたら、3年ってとこかな」。
 
 監督の真剣な語り口調。加えて今日が最後、の言葉に記者もドッキリ。さらに。
 「チームが強くなって、選手が、カントクをベンチに引っ張り出そうよ、って言ってくるのを待つことにしました。練習だって、強くなるためにやっている。上のレベルで1勝する目標のために、自分たちは何をするのか。選手たちが成長するのを待つことにしました」。

 茨城ゴールデンゴールズの若い選手たちは、常に先を見据える「萩本欽一ドラマ」に驚くばかりだろう。今年2008年は山口県の全日本クラブ選手権で2連覇を達成。監督も「チームは確かに成長しているんでしょう。けれど、常に目標を上に持ったチームじゃなきゃ、いやだよ」。

 「カントク采配のサイン?え、バント?そんなものするわけないでしょ。バントはするな、と松沼さんに指示したの。だって、ヤマハに失礼でしょ。ウチはそうやって1点を取りに行く段階じゃないから」。これら萩本欽一監督の描くチーム像は、選手の発奮を促すに十分。来年、欽トクの意志を理解した者、もうひとつ上を目指す者が、茨城ゴールデンゴールズで活躍することになるだろう。来年の新しいチームが楽しみだ。

(スポーツ・アナリスト/小野俊哉)


   ※本サイト内の記事・写真・イラスト等の無断掲載・転用を禁じます。(茨城ゴールデンゴールズ/スポーツ・アクセス)

                         【写真:スポーツ・アナリスト小野俊哉】